明日は我が身?EC決済の不正に巻き込まれない護身術

ECのミカタ編集部

 「クレジットカードの不正事件なんて、テレビの中の話だ。」「私のECサイトは、大丈夫。」ECサイトにおけるクレジットカードの不正について、そんなことを思っていないだろうか。

 明日は我が身である。事件が起こってしまってからでは、もう遅いのだ。

クレジットカード不正の現実を知る

 ECが急速に世の中へ普及している現代において、決済を行う上でクレジットカードは欠かせない存在になっている。現に、株式会社ジャストシステムがネットリサーチサービス「Fastask」を利用して実施した『ネットショッピング実態調査【支払い/送料編】』の結果では、 「最も利用しているECサイトでの支払い方法について」という質問に対して、クレジットカードが1位になっている。詳細の数字としては、クレジットカードは73.9%、因みに2位の代金引換は4.3%だった。

 一方で、クレジットカードの利用が増加するにつれて、不正も増加している。偽造カードや本人になりすました不正利用、不正アクセスによるクレジットカード情報の漏えいなど、クレジットカード決済に関するトラブルが多発しているのだ。2015年は楽天市場だけで、被害件数9万2000件、金額は72億円、前年比20%増であった。楽天市場は店舗へ、不審な注文には取引を停止するように求めているが、年々増え続けてる。

クレジットカード情報の非保持化の準備はできていますか?

 ところで皆さんは、2018年3月までに、クレジットカード情報の非保持化もしくはPCI DSSへの準拠を完了させる準備は順調だろうか。

 PCI DSSとは、クレジットカードの情報や決済の情報の漏えいを防ぐために、VISA、MasterCard、JCB、American Express、Discoverの国際カードブランド5社が2004年12月に策定した、カード情報保護に関する国際セキュリティ基準である。

 クレジット取引セキュリティ対策協議会が発表している「クレジットカード取引におけるセキュリティ対策の強化に向けた実行計画」内で、クレジットカード情報を保持するすべての事業者に、原則として、クレジットカード情報の非保持化もしくはPCI DSSへの準拠の実施を要請しているのだ。この実施の期限が2018年3月なのである。

クレジットカードの不正が増え続ける現在において、いち早く対応するべき対策だ。

ソフトバンクPSの「トークンサービス」が救いの一手?

 では、年々増え続けるクレジットカードの不正に対して、ECサイトは具体的にどのように対応していくべきなのだろうか。いや、どうすれば未然に防ぐことができるのだろうか。

 2018年3月が着々と迫りつつある今、ECサイトのクレジットカード情報の非保持化の実現、そしてセキュリティ対策の強化を支援するサービスが本日8月4日にリリースされた。ソフトバンク・ペイメント・サービス株式会社(以下、ソフトバンクPS)が提供する「トークンサービス」である。

 トークンサービスとは、顧客が入力したクレジットカード情報を、トークンという別の文字列に変換の上で決済できるサービスだ。ECサイトは、クレジットカード情報に触れることなく決済を完了させることができるため、クレジットカード情報の非保持化が実現可能なのだ。利用する際は、ソフトバンクPSが提供するトークンサービスのJavaScriptを、ECサイトに組み込むことで完了する。

 また、トークンサービスを利用するメリットとして、以下の3つが挙げられる。

クレジットカード情報の非保持化
 トークンサービスは、クレジットカード情報の非保持化を実現したサービスである。そのため、ECサイト側ではPCI DSSに準拠する必要がない。

セキュリティ対策の強化
 ECサイトでクレジットカード情報を保持しないため、情報漏えいのリスクが軽減される。また、セキュリティ対策の強化にも繋がるメリットがある。

決済画面デザインの自由度
 ECサイトに決済画面を組み込むことができるため、サイトイメージを保った決済画面を自由に構築することができる。そして顧客は、違和感なく支払いを完結することが可能になる。

不正が起こる前に、対策を。

 ソフトバンクPSが提供するトークンサービスを導入することによって、顧客が安心して買い物できる決済環境の安全性を確保することができる。また、ECサイト側も、クレジットカード情報の管理に注意を払い必要がなくなるため、運営に注力することが可能なのだ。

 ECにおけるクレジットカードの不正が多発している今だからこそ、このような不正対策のツールの導入を検討するべきなのではないだろうか。そして誰もが安心して購入し、安心して商品を売ることができる、EC業界の実現を目指していきたい。明日は我が身。もしかすると、あなたのECサイトも不正の被害に遭うかもしれないのだ。魔の手は、もうすぐそこまで、迫ってきているかもしれない。


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